春過ぎて〜藤原京跡には何がある

春過ぎて 夏来るらし 白たへの 衣干したり 天の香具山 持統天皇

小倉百人一首の二番目のお歌でござる。百首すべて暗誦できなくなって、早ン十年たったが、この歌と天智天皇の歌だけは今でも言えるぞ。今回は、万葉集バージョンにしてみた。

藤原京大極殿付近から見た、香具山。大和三山のひとつである。

この歌が詠まれた藤原京は、綿密な都市計画と律令国家制度に基づいて出来あがった、持統八年(694年)から和銅3年(710年)に平城京に遷都されるまで、国家の中枢であったところだ。



見よ!!この平城宮跡にも勝るとも劣らない広大な敷地!!地上には見えないけれど、地下にはありえないくらいの埋蔵文化財が眠っている。秋にはコスモスでいっぱいになるこの地に、都があったということを理解しようと思うと、想像力(妄想力?)をフル回転させなければならない。ここ藤原京平城京は、想像したもの勝ちのワンダーランドなんである。私には私の、あなたにはあなたの都がある。
と思っていたのだが、どうも世間一般には通用しにくい理屈らしい。あれだけ多額のお金を使い、いろんな資料を引っ張り出し、わからないところは想像して造った大極殿のある平城宮跡も「何もないんだけど」って言われているそうなのだ。つらいなー、何もないって言われたくなくて、色々と復元したのにね。
そんな折、ケーブルテレビにてこんなお話が紹介されていた。飛鳥・藤原京世界遺産暫定リストに登録されたことをきっかけとして、奈良産業大と橿原市が共同で開発した、この地上には何にもない藤原京跡に都を再現しようじゃないの!という「藤原京CG再現プロジェクト」が完成したというのだ。平城京の端っこから車でおよそ30分、体験すべくやってきた。

ポイントマップをあらかじめダウンロードし、それを持って藤原京跡へ。地図上にあるポイントに立ち、QRコードを携帯電話で読みとると、再現CGが出てくるというしくみ。全部で12ポイントあるのだが、かなり細かくてリアル。現地で見ればもっと楽しいけど、今見ても充分楽しいぞ。
ただ欲を言えば、マップにぜひ大和三山を載せていただけたら・・・と。地図にも現地にも目印がなさ過ぎて、ちーっとばかりわかりにくい。それに、藤原京大和三山は密接な関係があるのだし。もちろん、現在も発掘中なので、地図のポイントも増えてゆくであろう。発掘内容も楽しみだが、このポイントとCGも楽しみになってきた。

P.S そうそう行かれる前には、ぜひ藤原京資料館へ。精巧なジオラマや発掘された瓦や柱などもあるし、何より説明してくださる方が親切。というかアツイ。「今年は、ここらへん掘ってるの。今日も掘ってるから(行ったのは平日)覗いてきたらいい」って、そんな無茶な(笑)チキンなんで、近くまでいったものの、よう覗かず、ピーチクパーチクのヒバリ君と戯れてきました。次回は、コスモスが咲くころにでも。

飛鳥・藤原京をぜひ世界遺産登録へ。「藤原京CG再現プロジェクト」で検索すればヒットします。高取城もCG再現してまっせ。

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