「和船で学ぼう!姫路城」〜お船にゆられて、どんぶらこ

先だって姫路城で行われた「和船で学ぼう!!姫路城」というものに参加してまいりました。


これもまた事前に申し込み、多数の場合は抽選で、とのことでした。和船の定員は5名、うち二人は関係者の方が乗られるので一般人で乗れるのは3名。たいがいの所には一人で参加できるのですが、今回はさすがにちょっと気がひけたので、ツレ(若冲の鶏を軍鶏だと言い放った)を誘って参加いたしました。



前日までの雨がうそのように晴れ渡っているが、むっちゃ風が強かった姫路市内。駅に着くと、城へ行く歩道に何やら人だかり、そしてその真ん中に見たことある人物がマイク持ってしゃべってました。


「誰?じゃまー!」
と言い放ち、堂々と前を横切るわがツレに少々冷や汗をかきつつ、マイク持ってるオッサンを見ると・・・。

「なーんだ、井戸っちやん」
とこれまた、某兵庫県知事を呼び捨てにする最近怖いものナシのワタクシメ。


そんなこんな出来ごとがあり、少々先行きに不安を抱えつつ、5分前には来てください、とあった集合場所へ15分前に到着。


「こんにちはー」
と、さわやかな笑顔で出迎えて下さった、姫路市の担当者の方。

「どこからですかー??」という、ツカミトークから始まったのですが、この方のお話が熱かった。


なんでもこの企画、ローカル版にしか発表していなかったので、集まるのは地元の人だけだろう、と思っていたところ、一番遠い所で北海道からの申し込みがあったそうな(残念ながら御辞退されたとか)。


国宝なので、文化庁との絡みがあるから・・・、と前置きがあったものの。
「定期運航したいんです(今回は試験的)」
「和船を是非、自前で準備したい(今回の船は赤穂市からの借り物。義士祭で使用している)」
「できればね、屋形舟っぽくしたいんですよー。彦根城とか松江城とかしているからウチもやってもいいと思う。」
「和船を造っている所も見学してもらって(見学させるの好きやなー)、で、出来あがったら乗る人に漕いで貰ったりして。漕ぎます??」


あっという間に、乗船の時間が。

ライフジャケットに頭にはスゲの笠を装着し、せっかくだからと記念撮影。船の中では「立たない、動かない」と注意を受け、いざ乗船。


第4代藩主が一度だけ船を浮かべたことがあるという、国宝姫路城のお堀のクルージングの始まりです。

慣れた手つきで石垣ギリギリまで近づく船頭さんと、バリバリの播州言葉で案内してくださるガイドさん。

「えーっと、あそこのでっぱり、なんだかわかりますかー??」

(排水溝)


「それぞれの時代でね、石垣も違うし、やっぱり修理もしてるしね。それがすごくわかりやすいの」



「ここがね、原生林なの。城造ってからも、ほんと手つかずなの。斜度が50度あってね、登れないよ。その奥が西の丸になってんのよ。これも防御だよね」


「あの土壁の向こうが好古園。梅が見ごろだからねー、あとでね、行ってくださいよー。園長に頼まれてっから」


「この先、わかるー??堀の幅が狭くなってるし、石垣も低いでしょ。ここはね、風の通り道でもあるんだよ」

小ネタを交えつつしゃべるガイドさんに比べて、とことん寡黙な船頭さんがいきなりエンジンを切ってポツリとおっしゃられた。

「今までずっと、姫路城って大天守が一番だと思ってたの。でも、ここからの眺めが一番お城らしいって今回気がついた」

桜が咲いてたら、サイコーだろうねぇ・・・。屋形舟で灘のお酒で焼きあなご・・・、ジュル。


そうこうしていると、正面左手に大手門が!!桜門橋が!!!お待たせしました、ここでスゲ笠の出番。


この下を、くぐりますねん。前日の雨で多少増水しているんですが、くぐらないと次に行けないのよ。橋桁は鉄筋(救急車が通るから)なので、頭を守るためにスゲ笠をかぶるのですよ〜。


これだけ低いと、屋形舟はムリだよなー。




現在修復作業中の大天守が見えてきました。やっぱり、やっぱり、ここまできたらお堀から大天守見たいよね。天空、じゃなくって、白鷺城。


ぜひ、定期運航しましょうよ。少し角度を変えるだけで、見慣れた景色がぜんぜん違うように見えてくるし。


いいよー、お堀から見るお城。スゲの笠をかぶったからかもしれないけど、時代劇にでも出たような、ちょっと浮かれた気分♡


うーむ、ぜひ大阪城でもしていただきたい企画でござるなー。橋下殿!!


道頓堀にプール造るくらいなら、大阪城の堀に屋形舟でも浮かべるの、どう!!