正倉院工事現場見学

宮内庁から呼び出されて(ウソウソ)、正倉院の工事現場の見学へ行ってきた。その続き。

今回修理することになった最大の理由とは・・・。

1.雨漏りがするから。

ぎゃー、大変!!宝物が!!と言うと、
「隣にある完璧な空調設備のある倉庫に、宝物は眠っています」
と、クールに返答された。←そりゃそうだ。



瓦は全部おろして、目視と音と技術で使えるものと使えないものに選別するそうです。
使えるものは使う。室町時代の瓦も、今現在のっかっていますからねー。

どうやら、そういう年代物の瓦は、東側に集中しています。なぜか??


東側は正面だから。見栄えの問題だそうですよ!

だから西側(つまり裏側)は、前回修理した大正時代の瓦が集中しているそうです。


瓦って陽が当たる方が、保存状態はいいんですって。だから南と西はとても状態がいいので、多分使えるのが多いだろう、と。
北側は湿気るので、状態としてはよくない。そういえば、苔がかなりついていました。



2.基礎がずれた&隙間ができている。



阪神の震災の折りに、少々ずれたそうです。そういえば、唐招提寺の大改修のきっかけもあの時の震災でした。


そして、1000年の月日が経ち、かの高床式校倉造にも隙間が生じてきているそうです。習いましたねー。余分な湿気を逃がし、宝物を守っている、と。



材木は桧がやはりいいそうです。強い&燃えにくいという性質があるから・・・だって。
かつて雷が落ちた時も、桧だから燃え広がりにくかったそうです。まっ、その前に消したからよかったんですが(笑)


今回の見学会は第1回目。宮内庁のHPによると、計5回予定されておられるそうです。

前もって3日間しかない公開日のいづれかに予約し、当日は公的身分証明書を持参するという(見学料は無料ですが)物々しさ。しかも、ヘルメットかぶる??という位の、思いっきり工事現場な足場でしたが、普段は外構しか見ることが出来ない場所ではありますので、次回も是非参加したいと思いました。


伊藤博文が寄贈したガラスケース。


ですが・・・。
3日間というのは、あまりにも短すぎますよ!宮内庁さま。せめて、せめて一週間にしてもらえまへんやろか・・・。


次回は、国宝の修復工事現場を見せる!という荒技を絶賛実践中の姫路城。その姫路城のお堀を、和舟でクルージングしてきた体験談を披露したいと思います。


・・・・・   coming soon