からくれなゐに
「旦さん、ちょっと教えておくれやす。」
「なんじゃいな。」
「いや、『ちはやふる 神代も聞かず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは』っていったい、なんでんねん。」
「これは、これは。またエライことを、聞きなさる。昔なぁ、吉原に千早と言う、たいそう人気のある花魁がおったんじゃ。ある日、竜田川という力士が、この千早に恋をした。ところが、この千早、太ったおとこ、つまりは力士が大層キライ!ときたもんや・・・」
元祖プレイボーイ、在原業平のお歌が、落語の世界に入ると、こうなってしまう。旦さんの迷(!)解説は、まだまだ続く・・・。
「そいなら、旦さん。『水くくるとは』の『水くくる』の意味は、わかりましたわ。そしたら最後に『とは』と、ありまっしゃろ。その『とは』っていったい、なんでんねん」
「千早と神代の妹分に、とは、という遊女がおったんや〜」
〜不思議なことがあったという神様の世でも聞いたことがない。竜田川のきれいな紅葉が、流れる水を鮮やかな赤色に絞りそめるなんて。〜
本日の教訓。何事にも、知ったかぶりは、あきません。・・・(笑)