水取りや こもりの僧の 沓の音〜芭蕉

お水取りが終わらないと、奈良に春はやってきません(きっぱり)
えぇ、どれだけ2月が暖かかろうが、弥生であろうが。

松明を持って、二月堂を走るだけがお水取りの行事ではないんだが、具体的に何がどう?と言われれば、明確に答えられない自分がいるのも確か。

奈良国立博物館にて「お水取り」展があったので、これをよい機会と思い、行ってまいりました。

内容は、お水取りの儀式で練行衆の皆様が使用される数珠、紙衣、木沓や法螺貝錫杖などはもちろんのこと。二月堂縁起絵巻、絶対秘仏といわれる(練行衆ですら見ることはかなわない)大観音、小観音を描いたであろう古文書。そして、過去帳と言われる、東大寺にゆかりの方々の名前が書かれた巻物〜聖武天皇冷泉天皇などの皇族、源頼朝など歴史上の人物の間に東大寺を建てた大工さんとおぼしき人々の名前あり。仏の前ではみな平等なのだ。

南都の焼き討ちがあっても、松永久秀が大仏殿を焼こうと一度も欠かすことなく取り行われてきた行事であるというのは、周知の事実。だが、江戸時代寛文七年には行中に二月堂自体が行中の火事で焼失するという事件が起こる。その時の様子を書いてある日記も、展示されていた。
日記には、火の勢いがすさまじく、逃げるのが精いっぱいで何も出来なかったという無念や、翌朝、大観音が焼け野原となった二月堂に見えた時の感動と恐れが書かれていて、当時の様子が手に取るようであった。
あわせて、二月堂再建のための図面も展示。完成図と設計図であろうと、解説があったけど、素人(私のこと)にはどちらも設計図にしか見えなんだ(汗)

ほかにも、礼堂を再現し、そこからはエンドレスで声明が流れるという展示や約半月にも及ぶ行事の日程もあり、お水取りについてより理解が深まるような内容になっておりました。


というわけで、当然そのまま二月堂へGO!したわけですが、また次回へ。
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