祈りの回廊〜伝香寺

奈良には、3名椿というのがありまして。

そのひとつが、伝香寺さんに咲いている「武者(もののふ)椿」なるものです。
例年は、この時期まだ咲いていないそうなんですが、今年はすでに咲いているとのことでしたので、あわてて行きました。

椿というのは、花首から落花するものですが、この椿は色がまだ盛んなときにハラハラと花弁が散っていく。その散り際の潔さが若くして亡くなった順慶のようである、というところから名づけられたそうです。


本堂内には、御本尊のお釈迦さま、筒井家の守護神である春日稲荷大明神(写し←現物は大和郡山市内のあるお方がお持ちだとか)、島左近が順慶の法要の時に奉納した南無仏太子像、客仏ではありますが、通称はだか地蔵さまが安置されています。

このお地蔵様は毎年7月に、衣変えをされるんだとか。橙の着物に黄色の袈裟をつけ、とってもおだやかないいお顔のお地蔵様です。

実はこのお寺、堂内の撮影OKなんですよ。
「撮りますか〜。住職さん、太っ腹なんでね〜、気合い入れて撮ってくださいよ!」
なぁーんて、ボランティアガイドさんに言われたけれど、恐れ多くてやめました(汗)

このお寺、筒井順慶のお母さんが、先だった息子順慶の菩提を弔うために建てたんだとか。この椿も、母芳秀尼が植えて只今3代目。寺の名前の由来も、香華の絶えることのないように、との母の願いが込められています。


椿の時期と、お地蔵さまの衣替えの時は、お堂も公開されていますが、普段は公開されていないようです。
平城遷都だからでしょうか?ボランティアガイドさんがおられて、すごく丁寧にお寺の由来からお地蔵さまのことから説明してくださいました。重文や県文なども間近で見る事が出来、とても有意義に過ごせました。
ボランティアガイドさん、そして太っ腹な御住職さん、ありがとうございます!!
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