祈りの回廊〜大安寺

大阪の子供は、お寺に行くと「まんまんちゃん、あん」と言って手をあわせる。byヒミツのケンミンショー

えぇ、物心ついたときから、御先祖様を、お地蔵様を前に「まんまんちゃん、あん(チーン)」と言ってきましたが???何か?
まさかこの年になって、「まんまんちゃん、あん」が大阪、京都、奈良方面の幼児用語だと知るとは思わなかった。
大きくなっても、「まんまんちゃん、あん」の心は忘れない、仏像好きがここにひとり。

そんな仏像好き人間には、たまらん今年の企画。


平城遷都1300年に合わせ、普段であれば、非公開のもの、要予約のもの、1日しか公開されないものが、
「今回だけ」
ということで、期間を延長したり、特別公開したりしています。

春期版(1月〜7月)分を見ただけでも、クラクラとくる内容で。もう、全部見て回りたいんだけど。あせってもしょうがない。ひとつひとつ・・というわけで、

大安寺さんにお邪魔いたしました。

南都七大寺の一つである大安寺は、聖徳太子の遺願により欽明天皇が「百済大寺」を建立。やがて藤原京で「大官大寺」となり、平城京遷都に伴ない現在の地に移転されました。
そう、大安寺も遷寺1300年になるんですな。

その当時の大安寺は、広大な敷地に金堂、講堂を中心とした九十余棟の建物がならび、七重の双塔がそびえたっていたそうですが(宝物館にジオラマあり)。たび重なる戦火などで寺運も衰退し、現在は本堂、嘶堂、小子坊、護摩堂、宝物殿といった建物があるだけですが、境内はきれいに手入れされているので、心なごむお寺さんです。

その嘶堂で、重文の馬頭観音立像が公開されています。(三月末まで)
普通、馬頭観音といえば頭上に馬の頭を戴いていらっしゃいますが、天平時代の様式で馬頭はなく、忿怒のお顔をされていらっしゃいます。
重文や国宝によくある、仏さまと我々の間に柵や網などもなく、薄暗くてお顔がよくわからん!こともなく。祈りの対象としての観音様を拝ませていただくことができました(感激)

宝物殿には、これまた重文の不空羂索観音楊柳観音聖観音持国天増長天広目天多聞天が陳列という形ではなく、ひとつの世界観をもっておわしました。台座までの一木造りで、こちらも網ごしなどではなく、靴を脱いでの拝観。けっして大きくはないし、豪華でもないんですが、落ち着く空間でした。

お寺巡りをするときは、御朱印帳を持参することにしておりますが、大安寺さんは、本堂で書いていただけます。お願いした時は、なにかの御祈祷をされていた最中のようで、般若心経を聞きながら、書いていただくのを待っておりました。

4月からは馬頭観音立像に続き、本尊十一面観音立像も公開になります。
こちらも、またまた楽しみです!