柳沢文庫へ〜盆梅展つづき

平城遷都1300年祭の関連で、今回の柳沢文庫の新春企画展は「明治30年代〜大正期の平城宮跡保存運動」です。盆梅展の半券を見せると、入館料が少々割引になります。

で、これが柳沢文庫

柳沢文庫は、藩主柳沢家伝来の史料を中心とした図書館。郡山城の古絵図などを、展示されてます。
中は、土足厳禁。展示室は、畳敷きの広間です。先生のお宅にお邪魔して、資料を見させていただく!といった感じで、いつもちょっと緊張しちゃう(笑)

展示内容は、地元の人たちが「大黒の芝」と呼んでいた土壇が大極殿跡であるという発表を受け、個人の保存運動から、国による保存事業へと移行する過程が、古文書や写真、絵図で構成されています。

驚きだったのは、江戸時代の古文書に、平城宮跡周辺の地名に「大黒殿」「内裏宮」などの記述があること。名所記には、大極殿跡の遺構である「大黒の芝」の所に「今も田を作らず」と記述されていること。これは、平安遷都以降もこの地が特別なものとして古来から守られてきた証であるとのことでした。

悲しいかな、奈良の地は古墳をはじめとして多くの遺跡が、とてつもない長い年月の間に、損なわれてきたという事実があります。それもまた、歴史の一つでもあるんです。
だからこそ、大極殿跡は長い間守られてきていたというのは、奇跡であります。

いまでは、広大な平城宮跡朱雀門大極殿が復元されていますが、この広大な跡地が今に伝えられたのは、多大な努力と幸運のおかげであったのだと思いますし、そのことに感謝したいです。


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