春日さん

平城遷都1300年祭に伴なって、奈良関連本がけっこう並んでいます。ま、寺社関連が多いのですが、そんな中、以前から気になっていた本があります。普段、4コママンガは、読まないんですが。

奈良のお宿の春日さん (コンペイトウ書房)

奈良のお宿の春日さん (コンペイトウ書房)

真ん中の子鹿が春日さん。奈良で鹿で春日って、そのまんまやん!というツッコミは、一切受け付けません(笑)

奈良にある、とあるゲストハウスに迷い込んだ子鹿の春日さんが、そのゲストハウスに来た(居ついている)人たちとの触れ合いを通じ、奈良のよさを知って行く・・、というなんともハートウォーミングな、というかゆるーいお話が展開されているのです。

設定も凝ってまして、まずそのゲストハウスのオーナーが大仏さん(当然東大寺の大仏さんであろう)、居ついている住民(?)がすべて仏さんなのだけど。
まず、みろくちゃん(絵の雰囲気からし中宮寺弥勒菩薩であろう)とーってもゴージャスなあすかべさん(法華寺の十一面観音がモデルらしい)華奢といわれるのがトラウマな元ヤンあしゅらちゃん(興福寺のスーパーアイドル阿修羅像)お手伝いに現れる電車で30分の所に住む三輪さん(大神神社)。で、そのゲストハウスを仕切っているのは、みんなのオカン的な存在のヘルパーさん。説教好きのきちでん爺もいい時に現れて、いいこと言って去っていく。
まー、これだけ個々のキャラが立っているというか立ちすぎていると、お話の展開もさぞかし濃くなりそうだが、作者である、さえきまなさんの手腕なのでしょう、とってもあったかくお話が進んでいくのであります。

そしてなにより、ゲストハウスの方々がご自分の足で見つけてきた巻末の奈良のガイドマップは、是非観光のお供にしてください。が、本編の背景になっている奈良も、実際に満喫していただきたいのです。二月堂から見る夕日のシーンなんて、文句なしに同じシチュエーションで見ていただきたいくらいだ。

手持ちの夕日の写真がないんで、昼間の二月堂から。失礼。

帯にある「奈良のやさしさ つまってます」とありますが、生粋の奈良県人のおっとりさも感じられます。私?大阪生まれなんで、せっかちですねん。


でも、このさえきまなさん、静岡の方らしいのですが、近畿の他府県から見た奈良の評価が的確です。観光地のくせに「泊る所が少なすぎる」「飲食店の閉店時間が早い」そして「地味」・・・そうなのよ、周りの府県から見るとこんなものなのよね。

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