四神降臨〜四神そろい踏みを見るの巻

飛鳥資料館で現在行われている、キトラ古墳の壁画の公開に行ってきました。タイトルはそのものズバリ、と言った感じだけど。

四神とは?想像上の動物で、青龍、白虎、朱雀、玄武。それぞれ、東西南北を守る守り神なのだ。

展示内容はというと、まず、キトラ古墳の復元コーナー。石室はこの形で組まれていて、壁画はこの位置に描かれていて、ファイバースコープはここから入れて、といった風に。それにしても、やっぱりファイバースコープは、フューチャーするんだ(笑)あれたしか、胃カメラの応用だったはず。だって、キトラが発見された時の事をよく覚えているんだけど、キトラといえばファイバースコープとセットでニュースに登場していたよね。

数少ない副葬品(盗掘にあっているからね)も展示。金象嵌の刀装具やコハク玉やガラス粟玉など。盗掘により南側が壊されているので、当初は朱雀の絵も壊されているのでは、と言われていたのだ。

で、お目当ての四神の展示室へ。ぐっとライトを抑えめに、ガラスケースに入って、おわしましたぞ。
まずは、青龍。正直、赤い胸のあたりはよく見えるのだが、全体像は一番わかりづらい。よく見ようと思って身を乗り出すと「ガラスケースに手をふれないでください」はい、すみません
つづいて、玄武。この玄武がファイバースコープに映って、キトラ古墳に壁画がある!とニュースになったのだよ。いつ見ても思い出すなー、あの興奮。足の長い亀と蛇が絡み合っている姿だけに、まとまっている。他の三神と比べると、意外とちっちゃい(笑)でも、四神の中では一番はっきり見えるのだ。
白虎。一時「平城遷都」のフリーペーパーの表紙をおつとめになっていた。その名のとおり、白い虎なんだが、高松塚ほか、ほとんどの白虎は頭を南に向けているそうなのだが、キトラの場合は北に向けているとか。これも、ナゾの一つなんだって。ちょっと、おちゃめな顔をしているとは思いませんこと?

で、最後が、朱雀。この朱雀が、取り外すのにかなり苦労した絵なのだ。漆喰が薄くなっている所があり、今までのヘラを使って取り外す方法だと絵が崩壊してしまう恐れが。資料によると、2006年にダイヤモンドワイヤ・ソーという鉄製のワイヤにダイヤモンドの粉末をまぶした電動カッターを四輪駆動用のラジコン2台分のモーターで取り外した。要した時間は、わずか1時間。
ちなみに、ヘラを使って壁画を取り外す方法とは?資料によると、
1.レーヨン紙やガーゼなどを壁画の表面に張って(表打ち)補強する。
2.壁画のひび割れに沿って壁から切り離す。
3.取り外した壁画の裏に樹脂やレーヨン紙を張り(裏打ち)、表打ちをはずす。
うーむ、気の遠くなるような、そして気のまったく抜けない作業だわ。

玄武が発見されたのが、1983年。2004年に、下地の漆喰がはがれかけていることが判明し、保存のために国内初の壁画の取り外しが決定した。4年半の歳月をかけて、四神、天文図、十二支すべての取り外しに成功。高松塚の壁画が、保存のためにしたことが原因でカビちゃったんで、正直どうなることやら・・・、と気をもんでいたのだが、無事に四神揃ったのをこの目で見た時は感激した。それが、たとえガラスケースの中に入って、厳重に守られていても。

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村