山国あれこれ

ごりょんさんの桜を堪能した後は、付近を少々探索。山国御陵と周山のちょうど真ん中くらいにながーい参道を持つ神社がある。それが、山国神社。京都三大祭の一つ時代祭の先頭の維新勤王隊の鼓笛隊のモデルである、山国隊の出身地である。

勤王、錦の御旗をかかげ御所を守るため幕末に結成された農民兵が山国隊。平安京の造営のための木材の提供や、御所の警備もしていたこともあり、もともと、ここ山国は禁裏との関係が深い土地でもあった。尊王派の西園寺公望の呼びかけに応え、自弁で参加した。農民兵とはいえ、山村なので猟をすることも生活の一部であったため、銃の射撃精度はかなりなものであったとか。母の話によると、山国には鉄砲鍛冶屋さんがいるそうだから、むべなるかな。
禁裏との関係の深さもあって、御所の警備をしたかったようだが、倒幕のための東征にも参加している。明治2年に故郷山国へ凱旋した。軍費を自前でまかなったため莫大な借金が後に残り、名主仲間共有の山林を売り払って返したという。

大河ドラマ龍馬伝」を見ていると、土佐勤王党武市半平太を始めとする武士階級のみが国を憂い「尊王攘夷」や「倒幕」を叫んでいるように見えるが、自ら費用を出し多大な犠牲を払ってまで理念を持ち行動した山国隊をはじめとした農民兵たちがいたこと、そしてその彼らがいたからこそ今の私たちがいるということを、こののどかな桂川源流の景色を眺めながら改めて感じた次第。


余談だが、時代祭と同じ10月には、山国神社で還幸祭がおこなわれ、山国隊の隊列と軍楽が奉納される。そう、彼ら山国隊は郷土の誇りなのだ。


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