司馬先生のお手紙
茶臼山古墳のニュースとともに、たいへん気になったニュースが。
「坂の上の雲」を執筆されていた司馬先生が、ある方に
「ロシア側の資料がなかなか揃わず、大変です云々」
というお手紙を送っておられたとか。
あの本を執筆されておられた時は、ちょうど東西冷戦の真っただ中。いくら、帝政ロシアからソ連に変わったとはいえ、ロシア人からすれば不名誉な記録の数々を、たやすく日本人に見せたとは、とてもじゃないが思えない。
司馬先生は、「坂の上の雲」を限りなく、フィクションに近づけたかったとか。
もともと、執筆される時は、古本屋という古本屋から一斉に、書かれる時代の資料がすべてなくなると言われていたほど。
日露戦争の一方の当事者である、ロシア側の資料が揃わないという、嘆きは察してあまりある。
そんな御苦労の末に生まれたのが「坂の上の雲」
初めて読んだ時、この人たちがいたからこそ、自分はこの時代にうまれ、生きているという感謝の気持ちを感じましたが、このニュースを知り、改めて読み直してみたいと思った次第です。