物事は双方向で考えたい〜おじゃこのつぶやき
私は今マンション暮らしであり、マンションというのは、思いのほか電気に頼っているというのが現状である。
エレベーター、共用部分の灯り、宅配ロッカーの開け閉めに、マンション入り口のセキュリティーシステム。駐車場は電動式だし（田舎なので車がないと生活できない）、上下水道も電気がないと流れないし（失礼！）、出てこない。オール電化じゃないから、コンロとお風呂はガスだが、点火するのは電気がいる。
大変である。停電になったら、たちまち基本的な生活に響いてしまう。
色んな隠された情報と、それぞれの持論とが噴出してますよね。それらを読んだり、見たりしていて思うことがある。
例えば、電力の本格的な自由化。自由化したら、バラ色ですかね？
確かに１社独占は、経営の概念からしても尋常ではない。現在に至る、東電の対応を見ていると「誰かがするだろう」という大企業病に侵されているし、情報の出し方なんぞは、姑息だといえる。
でも、自由化にはデメリットは、ないのか？その説明がまるでないのが、気になって仕方がない。
なぜそう思うのか？
この福島原発の事故が発生するまで、「原子力発電は、クリーンで安全」だった。今「原発反対」って、いろんな方がおっしゃっておられるけど、その前はどうだった？私？「日本の技術力は大したもんだな。安全なんだ」って思ってましたよ。原子力発電所での訓練の様子なんかを見ていても「ちゃんと訓練してるんだ」って、ノンキに思ってみていたよ。
メリットは、化石燃料を持たない国が、安定的に電力を供給できる当時考えられていた唯一の手段だったんじゃないのか。それで、日本は経済大国になったんだ。私はほぼ福島原発と同世代だが、日々飛躍的に便利で豊かな国になったもの。私は、それらすべてを否定したくはないんだ。もちろん、反省しなくちゃいけない。デメリットを見逃していたこと。検証しなかったこと。「誰かがするだろう」と思ってしまっていたこと。そして、利権というものに、目をくらまされていたこと。
もう、失敗は許されないのだ。自由化をして、メリット、デメリットは何？新しい発電技術についても。地熱、風力、太陽光、その他諸々。それらのメリットと、そしてデメリットは？悪いが、物事には１００％のメリットなんてないんだ。原子力発電のデメリットに目をそむけてきた結果が今なのだから、冷静にデメリットも考えなくちゃいけない、と思う。デメリットを検証することで、最小にすることはできるはずだ。そこに、利権はからまないのか？
そして。今ある原発をすべて一斉に止めることは不可能である。止めたからといって、安全であるということはない。浜岡だって、まともに止めることは出来てないじゃないか。そのことも、検証しなくてはいけない。今あるそれぞれの原発がかかえる問題点は、何？その問題点すら、国民で共有できていないのが、問題なのじゃないのか。
新しいことを考えること、提唱することは、とても素敵で、魅力的だ。今「原発反対」を訴えること、電力の完全なる自由化、新しい発電を唱えることは、政治家ならずとも「あの人はいい人だねー」と言われる。「すばらしい」とも。
だが、原子炉はそんな今でも稼働している。私は関電エリアだが、今こうして使っている電気は、黒四や奥吉野からの水力か、福井県からの原子力が元になっている。暑い夏場になれば、もっともっと電気を使うケースは増えていくにちがいない。だからあえて。現状について、検証したいのだ。問題点を洗い出して、改善していかなくっちゃいかんのだ、未来から見れば、それがほんのわずかなことであったとしても。関電ユーザーとして。福井県に、すべての原発を集中して置いてもらっている者として。
もうすぐ美浜をはじめとする、原発の定期点検が終了する時がやってくる。まず誰がチェックする？原子力お友達連合か？それとも「動かせよ！補助金出さんぞ。わかってんのか！！」て、地元をおどすのか？（←なんか、これが一番ありえそうで、怖い）
それすら、決まってない。止めて、廃炉にするとしても、安定的に冷やさなくてはいけないのだ。福島４号機の爆発がすべてを物語っているでしょう。浜岡が、その他の定期点検中で止まっている原子炉が、福島４号機にならないとも限らないのだ、今のままじゃ。それでいいのか。よくはないだろう。
新しい発電や、電力自由化を否定はしない。むしろ、考えていかなくてはいけないと思う。だが、今の風潮にある「メリットばかりの」論議は、お断りである。電力を政治にするのは、もうやめよう。原発推進派、反対派、冷静に話をしよう。だってこれは、技術の話なのだから。
今の原子炉をどうするのか？という話もしよう。すべて一斉に廃止するのは現実的じゃないのだから、現実から目をそむけないで。
私たちは幸か不幸か、今まで原子力で発展してきたのだ。だから、自分たちで落とし前をつけなくてはいけないんじゃないか。
