長谷寺〜幾たびも 参る心は 長谷寺

本当に、ボチボチしている西国三十三ヵ所巡礼。この調子でいくと、いつ終わるんでしょうか??このたびは、第八番札所長谷寺と番外法起寺に行った。

日本最大級の観音様で有名だが、関西では花の寺で知られている。特に、芭蕉も絶賛したという桜に、牡丹。このシーズンになると、桜井方面の道路は車でビッシリ、動かなくなってしまう。それは、おいといて。

長谷寺。回廊。

縁起は、道明上人が天武天皇のために「銅版法華説相図」を初瀬山に安置したことから始まる。そののち、徳道上人が聖武天皇の勅願により十一面観音を御本尊としてお祀り、観音霊場の根本道場として栄えた、とのこと(長谷寺縁起より)。


本堂。徳川家光の寄進により、建立されたもの。

御本尊はその十一面観音さまなのだが、不思議なことにこのお寺には、なーんと天照大神の像があるのだ。しかも、こちらのお坊様は「与喜山礼」といって、毎朝与喜山に向かってかしわ手を打って、礼拝をする。


本堂の舞台から、与喜山。

この与喜山、天照大神御神体なんだそうである。そもそもこの観音さまも、大盤石(巨大な平らな石)の上に立っていらっしゃるという。山が御神体というのは、三輪山がその筆頭だし、巨石に神聖なものが宿るという、巨石伝説にも通じるものがあるのよ。お伊勢さんに行く、伊勢街道はこの長谷寺を通るし。この、いかにも「Japan」な神仏混合具合が、仏教がやってきた頃の権力のあり方とか、土着信仰と新興宗教としての仏教の落とし所とかの、妄想をかき立ててくれるのだ。私の場合、妄想するには、モトネタがある。それは、ちっちゃい頃にみたNHK特集「知られざる古代」。知ってる人、いますかね??

音霊場の旅なのに、なんと今回初めての妄想バージョンになってしまった。なんとも不思議な、懐の深さを持ったお寺である。