青いバラの花言葉は?

どうして、バラは青い花を咲かせないのだろう?答えは簡単、バラには青い色素を作りだす能力がないんである。
そうなると人間は、青いバラを咲かせようとする。古来から、青いバラは夢の花であり、不可能の代名詞だったのだ。

遺伝子組み換えという技術で、青いバラを咲かせようとした会社があった。一番初めにしたことは、青いペチュニアの遺伝子を解析し、青色の遺伝子配列を見つけ出すことだった。そしてその青色は無事発見され、バラの赤い色の遺伝子を除いた所に青色を組み込む。遺伝子組み換えが終了したバラは、やがてつぼみをもつ。そりゃー青いバラが咲くもんだと思うでしょ!ところがどっこい、バラは赤い花を咲かせたんである。
なぜか?
長い進化の過程のなかで、バラはバラなりの戦略によって、赤い色の花を咲かせ、青い色の花を咲かせないという選択をとり生き延びてきた。バラが赤いのには理由がある。色の遺伝子を赤から青に変えたからって、そうそう人間の都合で簡単に色を変えられてたまるか!!というわけで、組み込まれた青い色の遺伝子は、成長するにつれ、異物として破壊されてしまったのだ。

この失敗から、花には色の遺伝子と、その色を咲かせるよという遺伝子があることがわかった。もともと、青い花は咲かせないという選択をしたバラは、青は色として認識されていないのだ。そして数ある花の中から、色が一番豊富であるパンジーから青い色素と、花を青い色に咲かせるという遺伝子を取りだし、それをバラに組み込み、置き換えることによって青いバラ「アプローズ」を咲かせることに成功した。
だが、この「アプローズ」、ケチをつけるわけじゃないけど、空のように青い色ではないんだよ。例えていうなら、青紫というか。そう、まだまだ人間は、空のように青いバラを咲かせることはできていないのだ。

これ実は、BSで先日していたテレビ番組「いのちドラマチック」でのお話。そこでは一番初めの失敗から、遺伝子組み換えっていうのは、部品と部品の取り換えみたいにはいかないんだよ、ということと、遺伝子というのは種が生き延びるための戦略によって出来あがっていくものだ、ということがわかったというお話がかなり興味深かった。

そして番組ではもうお一人、育苗家の観点から、交配により青いバラを咲かせた方のお話もされていた。育苗家の河合さんは、紫のバラから近親交配により赤の色素を取り除き、青の色素を残すという方法を取られた。気の遠くなるような交配を重ね出来あがった「ブルーヘブン」は、とてもはかない淡い青いバラである。
青いバラは不可能の代名詞。だけど、遺伝子組み換えによって出来あがった青いバラ「アプローズ(喝采)」の花言葉は「夢かなう」、そして交配により出来あがった青いバラ「ブルーヘブン(天空の青)」の花言葉は「神の祝福」となった。


空のように青いバラを咲かせるべく、今も研究がなされている。いつか、空のように青いバラが咲くことがあるのだろうか。そしてそのバラが咲いた時、どんな花言葉になるのだろう。