心に残るプレゼント〜今週のお題から

もう随分前のこと。小学生くらいかな?ご近所のお兄ちゃんから、本を頂戴した。ひとまわりくらい年が離れていて、子供ながら「お勉強がよく出来る」と尊敬していた人(少々憧れも入る)からの頂きもの。「ちょっとまだムリかなー」と言われたが、「そんなことない!!」と背伸びしたような気がする。その中の一冊がシュリーマンの「夢を掘る人」であった。

貧しい家の子であったシュリーマンが、働きながら独学で考古学や語学を学び、幼い頃感動したというホメーロスの抒情詩「イーリアス」を掘りあてるというお話であった。中身は、これでもか!というくらいの過酷な仕事と多方面からの妨害を受けながら、夢物語であったトロイの遺跡を発掘する過程が、今から思えばしつこいくらいに書かれていたのだが(自慢話だからね)、幼い私はその内容に感動し、将来は考古学や歴史学を学びたいと夢みるようになったのである。

それから何年もたち、シュリーマンの色々な面(金の装飾品にしか興味を示さない、興味のある遺跡以外のものは不適切な対応をする等々)を知るようになり、まっ、正直「な〜んだ、そんなもんか」と思ったのだが、考古学、歴史学への興味はその事によって失せることはなかった。

色々と事情があり、結局考古学、歴史学というものを極めることは出来なかった。だが、奈良県という埋蔵文化財の宝庫のような所に住み、なんとはなしに始めたブログで歴史に詳しい方々とお知り合いになれ、色々と教えていただき、ありがたいご縁に恵まれた。夢破れた時は考えられなかったけれど、またこうしてちっちゃい頃に夢みた世界に、やっぱり興味をひかれる自分に気付かされた。

もちろん学問としてまったく勉強していないのでご大層なことは言えないし、みなさんが盛り上がっている事柄も「へぇー」とか「ほー」としか言えない自分が時として情けないと思う事もしばしば。でも先日、ある方から言われた言葉が心に残っている。引用してよいかどうかわからないので要約すると、「まだ知らない、まだ見ていない」ことを恐れるなかれ。これから色んな史料や人物や遺構に出会って、感激する余地がたくさん残っている状態なのだから、といったことであった(感泣)


よっしゃ、もう一度頑張るべ。回り道をしたけれど。

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